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2011年8月29日 (月)

【PMstyle Kit No.12】リーダーシップ《PMstyle》

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【目的】権限を持たずに影響力を行使する

【用途】プロジェクトマネジャーとしての活動範囲を広げる

【効用】プロジェクトメンバーや、上位組織などを自発的に動かし、プロジェクトへの協力を引き出す。

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Tk ◆管理/マネジメント/リーダーシップ

PMstyleではプロジェクトマネジャーの活動を

(1)管理
(2)マネジメント
(3)リーダーシップ

の3種類に分けて考えている。管理は、権限に基づいて行う活動である。プロジェクトの基本的な考え方はプロジェクトへの権限移譲により、母体組織は実現できない成果を実現することにある。その意味で、プロジェクトは管理により運営できることが好ましい。

しかし、現実には多くのプロジェクトは母体組織をベースにして行われるため、プロジェクトマネジャーが思うように活動するために必要が権限が委譲されず、母体組織に残ることがほとんどである。この制約をクリアするためには、プロジェクトリーダーに役員を据えるなど、組織上の権限とプロジェクトリーダーの権限を整合させることが現実的であるが、なかなか、そのような体制は作れないからだ。

そこで(2)のマネジメント、および(3)のリーダーシップという話になる。しかし、マネジメントとリーダーシップは補完的な役割を担う。マネジメントは本来は権限がなくては解決できない問題(あるいは権限があってもできない問題)をなんとか、いまある権限だけで解決する方法を考え、メンバーを指揮することによって実際に問題解決を行うことである。

これに対して、リーダーシップはメンバーに影響を与え、メンバーに自発的な行動を求め、メンバーの自発的行動によって問題を解決することである。


◆プロジェクトの要員配置

たとえば、要員の確保を考えてみよう。配置されるメンバーを決める「権限」はプロジェクトマネジャーに与えられていることはあまりない。そこで、メンバーを決める権限がない中で、プロジェクトに必要な要員を如何に確保するかという問題になる。必要な要員の確保には、3つの側面がある。

一つ目は、与えられた要員の力を最大に発揮できるように、スキルやそのレベルを見極め、適切な担当範囲を決めること[1]である。これは、プロジェクトマネジャーに与えられている権限だけで可能である。三つ目は、担当者としてその仕事で実力以上の力を発揮できるように、動機を高め、周辺環境を整えていくこと[2]である。三つ目は必要な要員をプロジェクトに配置して貰うように人事権限者に働きかけることである。

このうち、マネジメントの役割は[1]である。与えられた要員を使って何とかすることだ。そして、[2]と[3]の役割はリーダーシップの役割である。

この例から分かるように、リーダーシップの基本は「権限に依存せず他者に影響を与える」ことである。メンバーであれば、通常のやり方ではできないような動きを自発的にするように影響を与える。ステークホルダであれば、ステークホルダをその気にさせて、自分に協力してくれるように影響を与える。


◆リーダーシップに必要なこと

そのためにはいくつか必要なことがある。

まず、ビジョンを決めることである。プロジェクトのビジョン、ビジョンを実現するための目的・目標などを明確に決めることだ。そして、チームとして、共通の価値を作り上げていくことが求められる。

次に、チームの中に信頼とリスペクトを作り上げていくことだ。そのためには、リーダーは、コーチングやメンタリングを駆使して、メンバー間にそのような関係を作り上げていくことが求められる。

三番目はコミュニケーションである。プロジェクトのビジョンや目的・目標を浸透させていくためのフォーマルなコミュニケーションと同時に、メンバーに感謝したり、フィードバックを行ったりするインフォーマルなコミュニケーションも忘れてはならない。

また、メンバーに対する報酬、あるいは成果を認めることも重要である。プロジェクトに金銭的インセンティブをつけている組織も少なくないが、インセンティブがあってもなくても、非金銭的報酬を与えることが重要である。


◆重要なのはディシプリン

最後にチームとしてのリーダーシップスタイル(ディシプリン)を決めることである。チームが機能するには、ディシプリンが不可欠である。たとえば、プロジェクトチームが成長しながら成果を挙げるには、これまで述べてきたように

・ビジョンを共有する
・メンバーを信頼し、尊敬する
・コミュニケーションを取る

といったことは、ディシプリンとして定着させていく必要がある。その中で、特に重要なディシプリンは、チームの全員がプロジェクトのビジョンや、目的・目標を中心として、システム的なものの見方をすることだ。いわゆるシステム思考である。このような見方をするこtによって、他のディシプリンがだんだん機能するようになるだろう。

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