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2010年9月

2010年9月24日 (金)

【PMスタイル考】第13話:プロジェクトマネジメントのオーナーシップ

◆2人の上位管理者

Style プロジェクトの上位の管理者は2人います。分かりますか?

一人はプロジェクトスポンサーです。もう一人はプログラムマネジャーです。このようにいうと混乱してしまうかもしれませんね。

もう少し、具体的にいえば、

・ビジネスに関する上位管理者
・プロジェクトマネジメントに関する上位管理者

です。

10年近く前だと思いますが、米国のIBM社がプロジェクトマネジメント担当役員、いわゆるCPO(Chief Project Officer)を置いたことが日本でもニュースになったことがあります。日本のメディアの取り上げ方をみていると、キャリアの問題として取り上げていましたが、これはもっと重要な意味があります。「プロジェクトマネジメントのガバナンス」の問題で、プロジェクトマネジメントのオーナーシップを設置したことです。今でも、日本の企業で、CPOをおいている企業はほとんどみかけません。まれに、中堅企業で、役員がPMOのマネジャーを兼務している例をみることがあるくらいです。

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2010年9月17日 (金)

【PMスタイル考】第12話:プロジェクトインテグリティ

◆インテグリティとは何か

Style 最近、プロジェクトにおいて「インテグリティ」という概念が注目されるようになってきました。この概念はたいへんに興味深い概念です。

まず、インテグリティという言葉はどういう意味かを紹介しておきましょう。オックスフォード英語辞典には

1.正直。強い道徳性をもっていること。高潔さ。
2.分断されていない全体性。(例)領土の保全と国家の主権を確保する
3.構造が損なわれず、統合された、健全な状態。(例)小説の統一性
4.電子データの内部の一貫性、損なわれていないこと

の4つくらいの意味が記されています。1.は主に人間性についてインテグリティという言葉が使われるときの意味です。また、4.は情報処理の世界では普通に使われている使い方です。マネジメントでは、主に、2.や3.の意味が重要になってきます。

インテグリティという言葉の根底にあるのは

全体が分断されずに統合されており、完全で、うまく機能している

というニュアンスです。キーワードは、統合、完全、ですね。

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2010年9月13日 (月)

【PMスタイル考】第11話:プロジェクトとアドミニストレーション

◆管理原則の父

Style 「マネジメントの父」は、ピーター・ドラッカー博士、「科学的管理法の父」はフレデリック・テイラー博士です。では、「管理原則の父」と言われているフランス人がいます。誰か、ご存じでしょうか?

アンリ・ファヨール博士です。ファヨール博士は経営におけるアドミニストレーションのプロセスと原則を示したことで知られますが、そのプロセスとは、

・計画する
将来を探求・吟味して、活動計画を作成する
・組織する
原材料や設備、資本、人的資源などの計画実行に必要な資源を準備する
・命令する
従業員が自分に求められる機能を遂行できるように指示・配慮する
・調整する
すべての活動を結びつけ、統合し、調和させる
・統制する
ルールや指示にしたがって物事が行われていることを監視する

というものです。1900年代の前半に管理原則は欧米を中心に受け入れられました。

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2010年9月10日 (金)

【PMスタイル考】第10話:リスクインテリジェンス

◆PMstyleリスクマネジメント成熟モデル

Style PMstyleでは、プロジェクトリスクマネジメントの5段階というモデル(PMstyleリスクマネジメント成熟度モデル)を開発し、活用しています。以下のようなモデルです。

【レベル1】場当たり
プロジェクトマネジャーが気づいた範囲でリスク対策を立てている

【レベル2】体系化
プロジェクトマネジャーがプロジェクトリスクマネジメントの手法を導入して、リスクマネジメントを行っている

レベル3:標準化
組織としてリスクマネジメント標準手法や標準リスク事象を導入し、プロジェクトマネジャーやリスクオーナーとなるメンバーが標準に則り、リスクマネジメントを行っている。

【レベル4】定着化
組織としてリスクマネジメントに取り組み、個別プロジェクトにおける失敗の経験などが標準リスク事象として反映されている

【レベル5】インテリジェンス化
プロジェクトマネジャーやリスクオーナーのリスクマインドが醸成され、リスクに対する効率的かつ、効果的な管理に向けた継続的な改善が行われている

 

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【PMスタイル考】第9話:アカウンタビリティを高めるために

◆レスポンシビリティとアカウンタビリティ

Style プロジェクトを成功させるためには、2つの責任を全うすることが必要です。一つは、レスポンシビリティ。これはRAM(Responsibility Assignment Matrix:責任分担表)としてプロジェクトマネジメントの手法の中に出てくるので、よく認識されています。「実行責任」ということで、プロジェクトチームのメンバーの一人一人が、自分の与えられた仕事を遂行する責任です。

もう一つ、アカウンタビリティという責任があります。これは日本語では、「説明責任」とか、「成果責任」と呼ばれる責任です。分かったようで、よく分からない言葉なのですが、もともとアカウンタビリティは経営の用語で、企業がステークホルダに対して持つ経営判断に対する説明の責任です。今、アカウンタビリティという言葉を使うときは、もっと広い意味で使われていて、組織や個人が影響を与えたことに対して、その意志決定の理由を合理的に説明する責任です。簡単にいえば、組織や個人がどうしてそのような行動をとったかを合理的に説明する責任ということです。

 

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2010年9月 1日 (水)

【PMstyleCafe】プロジェティスタカフェ@大阪(2010/08/31)

 
PMstyleCafeで開催した「プロジェティスタ研究会主催」の大阪カフェが終了しましたので、当日の様子を軽く紹介します。5月19日、6月24日に東京で行ったワールドカフェの大阪版で、テーマや問いかけも基本的には同じなのですが、仕事を「ワクワクする」ではなく、

仕事を「オモロク」する

として行いました。参加者は32名でした。場所ですが、なんと、重要文化財に指定されている大阪市中央公会堂です。1918年に完成した建物で、2002年の修復・保存工事を経て、現役の設備としていろいろなイベントで活用されています。重要文化財でワールドカフェをやる機会って貴重かもしれません。

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(重要文化財の中でワールドカフェ!)

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