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2007年12月17日 (月)

右脳プロジェクトマネジメント

1567262066_2 B. Michael Aucoin「Right-Brain Project Management: A Complementary Approach」、Management Concepts(2007)

お薦め度:★★★★1/2

久しぶりの原書。これは英語に苦労しても損はない!(たぶん、この出版社の本は翻訳されない)

合理的な判断、論理的思考、分析的思考、数学的分析、事実に基づく思考や判断などはいずれも、左脳によるものであるといわれる。このような思考法だけでは、対応が難しいプロジェクトがある。スコープがあいまい、スコープが変化する、プロジェクト目標が大きくストレッチされているといったプロジェクトである。

この本は、このようなプロジェクトに対して、左脳プロジェクトマネジメントに加えて、右脳プロジェクトマネジメントの有用性を説き、ツールを解説した本である。

この本では、7つのツールを提唱している。

1. 人を引き付ける目的を見つける
2. プロジェクトを理解する
3. スコープや開発方法など、さまざまなことを試し、採用していく
4. 新たな現実を生み出す
5. 行動し、信用を作り上げていく
6. スイートスポットにヒットする
7. 実施したプロジェクトを「遺産」として残す

この考え方が面白いのは、最初にステークホルダがもつ動機(感覚)を探ることによって、プロジェクトを始めていくという考え方だ。左脳のプロジェクトマネジメントは、プロジェクトを実施することとありきで、ステークホルダの動機ではなく、ニーズを探し、目的とする。そのようなやり方は、曖昧性が少ない場合は有効だが、曖昧性があると、その対処が難しい。

これに対して、右脳プロジェクトマネジメントは、計画を立てる前に、感覚を意識的に扱うため、早めにプロジェクトのあいまいさを受け入れ、プロジェクトの早期の時間を計画を作ることに費やすのではなく、動機を高めたり、意味づけをすることに費やす。これにより、プロジェクトの後期において、画期的な成果とパフォーマンスを生み出すことを可能にするという考え方である。

これは、トム・ピーターズが提唱しているWOW!プロジェクトマネジメントに通じるものがある。WOW!もはやり、右脳プロジェクトマネジメントなのだ。

エンジニアリングプロジェクト、IT系のプロジェクトなど、管理対象の大きなプロジェクトにはこのような手法は向かないとされている。この本を読んでみるとこれは誤解であることがわかる。右脳か左脳かという議論であれば、確かに、左脳が重要である。しかし、そのようなプロジェクトにおいても、右脳プロジェクトマネジメントによって、左脳プロジェクトマネジメントで得られる成果を大きくするというのが基本的な発想である。

その意味で、特にPMBOKのプロジェクトマネジメントを実施しているプロジェクトマネジャーやPMOに読んでみてほしい一冊だ。

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2006年6月20日 (火)

こんなPM本がほしかった!

074944555601 Jason Westland「The Project Management Life Cycle: A Complete Step-By-Step Methodology For Initiating, Planning, Executing & Closing A Project Successfully」、Kogan Page Ltd(2006)

お奨め度:★★★★1/2

プロジェクトマネジメントの中でもっとも分かりにくく、また、重要な議論は、計画の詳細的段階化の話である。言い換えると、プロジェクトマネジメントライフサイクルの議論だ。実際のところ、PMBOKを読んでも書いてないわけではないが、読んでも分からない。段階的詳細化の議論を、理論的にしても何も分からない。ツールを使って具体的にどのように詳細化をしていくかを解説する必要がある。

この本は150以上のテンプレート、チェックリスト、テーブルを提示し、それらを使ってプロジェクトマネジメントライフサイクルをどのようにまわしていくかを解説している。英語の本なので、ツールをそのまま使うというわけには行かないだろうが、コンサルタントとして、多くの企業で、多くのツールを見てきたが、こんなにすばらしいツールにはお目にかかったことがないくらいすばらしい。

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プロジェクトメトリクスのサンプル集

156726166301 Parviz F. Rad「Metrics for Project Management: Formalized Approaches」、Management Concepts Inc(2005)

お奨め度:★★★★1/2

プロジェクトマネジメント品質のメトリクスについて体系的にまとめている。PMBOKがベースに、一通りのメソドロジーの構成要素に対して、評価のためのチェックリスト、定性的評価の方法を示しているので、英語である点を除くと、すぐにでも使える実用書である。

メトリクスの内容は計測することに対してよく配慮されており、具体的で、評価しやすいものをうまく設定している。

例えば、WBSの評価を一つとっても、30項目にもわたる非常に細かくチェックリスト(グレイディングつき)が示されている。

プロジェクトマネジメントの改善を目指すPMOの人には、ぜひとも読んでほしい一冊である。

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2005年5月25日 (水)

あたなのプロジェクトのゴールは?

0749441860 Erling S. Andersen、 Kristoffer V. Grude、Tor Haug 、Mike Katagiri、 J. Rodney Turner「Goal Directed Project Management: Effective Techniques and Strategies」、Kogan Page Ltd(2004)

お奨め度:★★★★1/2

計画とマイルストーンの両方を管理しながら、プロジェクトをゴールに導いていく方法を議論している。

計画ベースの議論は通常のプロジェクトマネジメントの議論であるが、マイルストーンマネジメントはプロジェクトマネジメントの域を超えており、MBS(Mission Breakdown Structure)などの概念を中心に、目標管理、戦略実行の観点からのマネジメントになっている。

ある種のプログラムマネジメント、あるいは、エンタープライズプロジェクトマネジメントの手法について書かれているわけであるが、これらの手法で、PPMだけで漠然とした部分に対して、具体的な手法を示しているので、実用性が高い。

2005年5月15日 (日)

顧客中心のプロジェクトの進め方のバイブル

0071369821 Bruce T. Barkley, James H. Saylor「Customer-Driven Project Management: Building Quality Building Quality into Project Processes」、McGraw-Hill Companies(2001)

お奨め度:★★★★1/2

顧客を重視したプロジェクトの進め方の体系的方法論を述べている。

プロジェクトの品質を顧客満足の視点から捉え、プロジェクトの品質を請うj表させる方法についてケースを中心にして説明している。

この本の面白い点は、プロジェクトの顧客をさまざまな視点から捉えている点にある。プロダクトの品質は客観的なものである。しかし、プロジェクトの品質は必ずしもそうではない。顧客の評価、スポンサーの評価、上司の評価などさまざまな価値観が錯綜するからである。それらに対して、統一的なアプローチをすることはきわめて重要な課題であり、本書はそれをしている。

プロジェクトマネジメントのバイブルの1冊。

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