マネジメントエクセレンス Feed

2011年6月15日 (水)

インテグレーションマネジメント(ファンが選ぶビジネス書12)

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橋本 忠夫「変革型ミドルのための経営実学―「インテグレーションマネジメント」のすすめ」、芙蓉書房出版(2010)

お奨め度:★★★★★

サントリーで情報システム部長、事業部企画部長、工場長、商品開発研究所長、SCM本部長、取締役、サントリー食品工場社長などを歴任され、現在は多摩大学大学院で教鞭をとられている橋本忠夫先生が、複雑化する経営環境に対応していくために、ミドルマネジャーの連携による新しいマネジメントの形として「インテグレーションマネジメント」を提案された1冊。インテグレーションマネジメントというアイデアもさることながら、おおよそ、現代の大企業で起こっているさまざまな問題に対して、体系的に納得性の高い分析が行われており、ミドルがマネジメントの視座を考えるには最高の一冊。

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2011年6月14日 (火)

48人のマネジメントベストプラクティス(ファンが選ぶビジネス書11)

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フランク・アーノルト(畔上 司訳)「有名人の成功のカギはドラッカーの「マネジメント」にあった」、阪急コミュニケーションズ(2011)

お奨め度:★★★★★+α

成功者(有名人)48名のマネジメントのベストプラクティスを、「組織のマネジメント」、「イノベーションのマネジメント」、「人間のマネジメント」の3つの分野に分け、著者の視点から紹介した一冊。1人1テーマにまとめられているが、テーマ意外にも学ぶところが多い。48名のリストとベストプラクティスは記事の最後にリスティングしている。

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2010年2月22日 (月)

ビジネス書キラー 現る

4862760724 アラン・ウェバー(市川裕康訳)「魂を売らずに成功する-伝説のビジネス誌編集長が選んだ 飛躍のルール52」、英治出版(2010)

お奨め度:★★★★★

ハーバードビジネスレビューでマネジメントやビジネスとアイディアを結びつけることを学び、米国でもっとも早く成長した雑誌といれれる「ファスト・カンパニー」を作り上げ、そして、新しいアイデアや方向性を探索する旅をしたアラン・ウェバーが、キャリアの中から厳選した、新しい52の「新たな経験則」を1ルールを数ページでまとめた一冊。52を選んだスコープは本のタイトルでもある「魂を売らずに成功する」ための経験則だ。

すべての解説には、「So What」がついており、コンセプトだけではなく、具体的なアクションのヒントも手に入れることができるのもすばらしい。

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2008年11月19日 (水)

兵法三十六計とマネジメント

兵法はもともと、出版物の多いテーマだが、今年1年だけで、ビジネスをテーマにした兵法の本が3冊出ている。これはちょっと驚きだ。

兵法は、中国で5世紀くらいから民衆の間で語り継がれてきた策略の教え。中国オフショアの専門家がいろいろと「中国人は、、、」といっているのを聞くと、兵法を認識しているのかといいたくなる。

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2008年8月13日 (水)

仮説を制する者はマネジメントを制する

■仮説とは何か

マネジメントにおいて欠くことができないのは「仮説」である。マネジメントのセンスとは、言い換えれば、どれだけ適切な仮説を作れるか、そして、その仮説を使って活動しているかだと言っても過言ではない。

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2008年6月20日 (金)

これから求められる思考法と思考ツール

この10年間くらいで、ロジカルシンキングの普及など、静的で(時間の推移を考えない)定性的な思考方法というのはずいぶん、定着してきたように思うが、その限界を感じている人は多い。いくら情報を集めてきても、時間的な視点を入れず、また、抽象化しないのでは、そこから導けることは限られている。

やはり、定量的な思考方法や、数理的な思考方法、あるいは時間の視点を取り入れたダイナミックな思考法というのはビジネスには欠かすことができない。その中でもっとも関心が高いのはおそらく動的な情報を取り扱う思考法としてのシナリオプラニングと、数理的な思考法としてのゲーム理論であろう。これらについては、書籍も結構、出版されてきた。

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2008年6月15日 (日)

ワークショップを極める!

ワークショップは、「作業場」や「工房」を意味する語であるが、20世紀に入ってからは体験型の講座の意味で用いられるようになってきた。

この意味でのワークショップは「主体的な参加」し、「自発的に作業」することによる「体験の共有」に大きな特徴がある。この特徴ゆえに、
・合意形成
・問題解決
・教育学習
など、さまざまな分野でつかわれている。今では、企業やトレーニングの中で普通に用いられる手法になっている。

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2008年5月 9日 (金)

「BADLUCK」を買収したいと言ったホリエモン

4870318059夢をかなえるゾウ」で一躍ミリオンセラー作家になった水野敬也氏。こういう本が100万部売れること自体驚きだ。テレビドラマ化も決まったそうだ。TVや雑誌インタビューにも登場し、一躍時の人になった水野敬也氏の話を聞いていると、なるほどと思わせる。「夢をかなえるゾウ」はよい本というより、敢えて「よくできた本」だといいたい。

さて、このコラムで書きたいのは、「夢をかなえるゾウ」のことではない。水野敬也氏のデビュー作となる「バッドラック」という本をご存じだろうか?

4757303009悪戯好きの神が平凡な会社員アレックスを不幸にしようとする。クビ、暴力、火事、そして死…。人生最悪の一日を、しかし彼はとんでもない前向きさで笑いながら過ごしていく。

というストーリーのポジティブシンキングの本だ。この本、2005年に出版された。そして、この本には、ホリエモンこと、堀江貴文氏の

 「今年一番買収したい本」

というコピーがついている。

この本のアマゾンのレビューを見ていると非常に面白いのだが、「夢をかなえるゾウ」が出版されてから、「バッドラック」の評価が下がっている。確かに、多くの人がレビューに書いているとおり、完成度が違うのだ。僕自身、この本は読んだが、ブログにも取り上げなかった。だた、ホリエモンのコピーだけが印象に残っていた。

荒削りの宝石の価値を見抜く。まさに、慧眼である。

4757301782 残念ながら、堀江貴文氏は活動を自粛しているようで、そのあとの水野氏の「夢をかなえるゾウ」のミリオンセラーをどう思っているか知る余地もないが、「バッドラック」に将来のミリオンセラー作家のにおいを感じたとすれば、それが堀江貴文という人物の本質ではないだろうか?

はやく、すっきりして新しい活動に取り組んでほしいものだ。

2008年4月 7日 (月)

顧客満足からディライトへ!

顧客循環力という言葉を聞かれたことがあるだろうか?一言でいえば、CS(顧客満足)とES(従業員満足)のシナジーによる顧客サービス品質のスパイラル的向上を実現する組織力といえる。

顧客満足が大切だという考え方の背景にあるのは、「サービス品質が悪い」という認識である。ゆえに、品質向上の一環として顧客満足度を把握し、向上していくことに力を注いできた。

この分野はISOをはじめとして、マネジメントが相当体系化されており、書籍などでもよいものがたくさんある。お薦めの一冊はこれだ。

4820744208 日本能率協会コンサルティング、永川 克彦、蛭田 潤、江渡 康裕、渡邊 聡「お客様に対応する業務の品質管理」、日本能率協会マネジメントセンター(2007)4820744208

顧客満足というと、どうやって計測するかが問題になるが、顧客満足の評価の指標としてもっとも一般的に使われているのは、リチャード・オリバーが提唱している「期待不確認モデル」である。このモデルは、期待(E)と実績(P)に注目し、その大きさで顧客満足を決めるものである。期待と実績を比較し、実績が期待より大きいなら、顧客満足が達成していると考えるモデルだ。実績が期待を下回っている場合には、それ自体が競争力を欠いており、実績を向上させる必要がある。これが上に述べた話である。

しかし、ここで考えなくてはならないのは、期待が低ければ、いくらリチャード・オリバーモデルで顧客満足が大きくなっても競争力にはならないことだ。

したがって、期待と実績の差を小さくすると同時に、期待そのものを大きくしなくてはならない。つまり、差を小さくしながら、期待を大きくしていくというスパイラルが求められる。

最近、顧客満足度に代わって、(カスタマー)ディライトという言葉が使われるようになってきた。JTの「私たちはディライトを提供します」という見て、ディライトって何だろうって思われた方もいらっしゃると思う。妙にインパクトのあるCMだ。別のキーワードは感動である。

たとえば、顧客満足向上のコンサルティングを専門とするJ.D.パワーなどの事例を見ていると、顧客満足の向上活動が、最終的には「感動を生み出す」活動になっていくケースが多いようだ。

クリス・ディノーヴィ、J.D.パワーIV世「J.D.パワー 顧客満足のすべて 4478375208」、ダイヤモンド社(2006)

口で感動を与えるというのは簡単だが、問題は如何に実現するかである。

この方法として、3つのキーワードがあるように思う。

ひとつ目はホスピタリティである。この分野は山ほど、本がある。昔から、

4478330247ヤン・カールソン(堤 猶二)「真実の瞬間―SAS(スカンジナビア航空)のサービス戦略はなぜ成功したか」、ダイヤモンド社(1990)

のような名著が多い分野なのだが、この2~3年、ホテルサービスのベストプラクティスを応用しようといった趣旨の本がたくさん見られるようになってきた。たとえばこの本だ。
林田 正光「図解版 ホスピタリティの教科書」、あさ出版(2007)4860631978

また、ここに、最近、日本流の「おもてなし」本が出てきている。おもてなし本でお薦めは

4862760333 リクルートワークス編集部「おもてなしの源流 日本の伝統にサービスの本質を探る」、英治出版(2007)

である。この本は、おもてなしは「主客の立場が入れ替わることさえ許容し、主と客が共にその場をつくる「共創」の関係を持つことを基本としている」という視点を置き、うまくまとめている本だ。

二番目は感動だ。これも多い。上に紹介したJ.D.パワーの本もお薦めだが、最近、読んで「感動」した本がこれ。

4532313767 ロビン・レント、ジュヌヴィエーヴ・トゥール(フローレンス ミエット 石坂訳)「超高級ブランドに学ぶ感動接客」、日本経済新聞社(2008)

ホスピタリティにしろ、おもてなしにしろ、あるいは感動にしろ、その実現のメカニズムというのがもう一つの問題である。ホスピタリティであれば、「ホスピタリティマネジメント」といった形でいくつかのフレームワークが提案されている。たとえば、

4820117319 中村 清、山口 祐司「ホスピタリティマネジメント―サービス競争力を高める理論とケーススタディ」、生産性出版(2002)

などがある。しかし、あまりとっつきやすいものではなかったが、最近、「満足循環」という概念を中心にまとめた本が出版された。

4054036783 志澤秀一「ディズニーに学ぶ満足循環力―「お客様満足」+「社員満足」の秘密」、学習研究社(2008)

志澤秀一氏は東京ディズニーランドの立ち上げから人材育成にかかわってこられ、今はコンサルタントとして活躍されている方だ。

この本では、ディズニーランドにおいて、育成プログラムのバックボーンとなっている理論を紹介されている。この本で述べられているのは

(1)すべてのゲストはVIPという個性化されたメッセージの発信と、その実現の
ために必要なプロフェッショナルな仕事の定義
(2)期待を上回るサービス提供ができるような仕込みをする
(3)期待を上回るサービスを実現し、評価を受ける
(4)社員は評価に満足し、さらなる向上を図るモチベーションとする
(5)会社は発展し、より明確な個性化されたメッセージを発信する
(6)リピートが増え、さらに大きな満足をえる

というCSとESの循環(スパイラル)を作れといことだ。最近、顧客満足というより、カスタマーディライトの実現のためにESの果たす役割の議論が盛んになっているが、結局、この満足循環につきるのではないかと思う。

顧客満足は百歩譲れば現場でできるかもしれない。しかし、ディライトは千歩譲っても経営と現場の協調がない限り実現できない。それをわかりやすく説明してくれている本は、まさにこれからの経営者も現場リーダーも必読の一冊だといえる。

この本を読んでいると、どうしてもディズニーランドは特別だという人も少なくないだろう。よく聞く話で、東京ディズニーランドやJTBを目指す人は、入社試験に落ちても業界他社は受験しないという話がある。どの程度信憑性があるかはしらないが、納得できる話ではある。そこで、もう少し、一般化された話を求めている人もいるかもしれない。そんな人には、この本をお勧めしておく。

最後に、従業員満足に対して、より体系的なアプローチを探している人には、この本をお薦めしておきたい。

4818526142 吉田 寿「社員満足の経営―ES調査の設計・実施・活用法」、日本経済団体連合会出版研修事業本部(2007)

2008年3月 2日 (日)

松岡正剛と物語編集

「遊」の時代から松岡正剛氏のファンである。とんでもない編集人である。どんな著作を読んでもうっとりするような物語を楽しむことができる。

2000年に自らの方法論を伝えるイシス編集学校を設立された。いつか参加したいと思っているのだが、知人で何人か参加している人の話を聞くにつけ、深みにはまりそうな気がして、躊躇している。

そうこうしているうちに、この学校で教えていると思われる編集の本質を垣間見せる本が出てしまった。この本だ。

4478003866 松岡正剛「物語編集力」、ダイヤモンド社(2008)

この本は、物語の5大構成要素としている

ワールドモデル(世界構造)
キャラクター(登場人物)
シーン(場面)
ストーリー(スクリプト・プロット)
ナレーター(語り手)

の5つを各章とし、[破]師範(番匠)と講評をするととにも、学衆がつくりあげた27篇の物語エチュードが紹介する作りになっている。物語エチュードは、アリスとテレス賞(コンテスト)入賞作のなから選び抜かれた作品だそうだ。

12人の師範は、

今井歴矢/奥野博 /太田眞千代/森美樹/林十全 /野嶋真帆/小池純代/高柳康代/田中俊明/古野伸治/倉田慎一/赤羽卓美

の12名。すごいメンバーである。

ちなみに、[破]というのは[守]の後の応用コース。詳しくはこちらを参照してほしい。

http://es.isis.ne.jp/

物語、ストリーテリングの有用性について書いた本は少なくない。たとえば、このブログでも紹介したことがあるが、

4478732809 田坂 広志「企画力 「共感の物語」を伝える技術と心得」、ダイヤモンド社(2004)

4837921795 平野日出木「「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法」、三笠書房(2006)4837921795

など、とてもわかりやすく、印象深い本である。また、最近、翻訳された本で、

4495376012 ジョン・ブラウン(高橋正泰、高井俊次訳)「ストーリーテリングが経営を変える―組織変革の新しい鍵」、同文館出版(2007)4495376012

はかなり、マネジメント手法として突っ込んだ本である。もう物語が有用であることは定着してきたといってよいのかもしれない。

ただ、これは物語が語れる、書ける、編集できるという前提で有用であるという話であって、物語を語ることは非常に難しい。経験があってもケースを作るのは難しいが、これも同じ難しさだ。

実際にコンサルティングの中で物語を入れてみると、効果があることに驚かれると同時に、うまく物語を使うことが難しいことを痛感する。

僕がイシス編集学校に行きたいと思っているのは、この壁を感じているからだ。

この分野の本がかけるのは、ひょっとして日本で松岡正剛しかいないのかもしれないが、今回の物語編集力はその一端を垣間見せてくれる。こんな本がもっと出ないかなと思う。

それから、松岡正剛ファンの人は、この本を読んだ後で、比較的明確で、広範なテーマについて書いた本、たとえば、

4122043824 4122045592 松岡 正剛「花鳥風月の科学」、中央公論新社(2004)

松岡 正剛「ルナティックス - 月を遊学する」、中央公論新社(2005)

などを合わせ読むと、編集という概念がすっきりとするのではないかと思う。お薦め!

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