情報化 Feed

2013年8月18日 (日)

ビックデータが生活や仕事を変える

4062180618ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ(斎藤 栄一郎訳)「ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える」、講談社 (2013)

紙版><Kindle版

お奨め度:★★★★★+α

ビックデータについて論じた唯一の本だと言われている「Big Data: A Revolution That Will Transform How We Live, Work, and Think」の翻訳。ビックデータについて、その本質を知りたい人は、必読。最近、JR東日本がSuicaのデータの販売を始めて話題になっている。これが何を意味しているかをきちんと理解できていないのであれば、自分のためにも読んでおくことをお奨めしたい一冊。


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2011年9月 3日 (土)

情報システムにおける「ユーザ主体」とはどういうことか

482226257X 日経コンピュータ「開発・改良の切り札 システム内製を極める」、日経BP社(2011)

お奨め度:★★★★1/2

情報システムにおいて、「ユーザ主体」とはどういうことかを、さまざまな事例を分析しながら、考察した一冊。専門ベンダーが主体になって行うシステム開発で、要件定義や柔軟な対応の難しさが指摘される今、ビジネスに役立つ情報システムを獲得するために、一度、読んで考えてみる価値がある一冊だ。

業務システムのユーザ主体開発の目的はいくつかに分けることができる。



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2011年1月10日 (月)

「企画人間」の条件

4620319821 増田 宗昭「はじめて語られる企画の「虎の巻」 」、毎日新聞社(2010)

お奨め度:★★★★

プロフェッショナルファームとしての「企画企業」のあり方について、25年にわたり、CCC(カルチャーコンビニエンスクラブ)グループを率いてきた増田宗昭さんが持論を展開した本。CCCのプロモーション本みたいな気もするが、僕はTポイントカードは凄いと思っているので、素直に読める。もし、TUTAYAや、Tポイントカードを評価していなければ、宣伝本以外のなものでもないので、要注意。

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2010年2月10日 (水)

管理のための見える化から、マネジメントのための見える化へ

4860633709 長尾 一洋、小関 由佳「見える化コミュニケーション」、中経出版(2009)

お奨め度:★★★★1/2

見える化といえば、

トヨタ 管理 改善

という連想ゲームが長く続いていたが、最近、かなり、風向きが変わってきた。マネジメントの手段になってきたのだ。そのきっかけになったのが、NIコンサルティングの長尾 一洋さんが、自分たちのメソッドを書籍化されたこの本。

長尾 一洋「仕事の見える化」、中経出版(2009)

長尾さんの本は、新幹線においている雑誌「WEDGE」の連載を読めば内容が分かるので購入することは少ないが、この本あたりから、購入するようになった。このあと、「営業の見える化」、本書とだんだん、マネジメント色が強くなってきている。

その意味で、集大成になっている一冊。

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2008年3月11日 (火)

対話により描かれたプロジェクトマネジメントの暗黙知

4883732533 中村 文彦「ITプロジェクトを失敗させる方法―失敗要因分析と成功への鍵」、ソフトリサーチセンター(2008)

お薦め度:★★★★1/2

著者の中村さんとは、日本プロジェクトマネジメント協会の研究会で、PMコンピテンシーの開発方法の研究に一緒に取り組んだことがある。そのときは、習慣化という方向にまとめていったが、こういう方法もあるんだなということを認識させてもらった一冊。

プロジェクトを提案・受注、立ち上げ・計画、実行、終了に分け、あとから振り返ると、分岐点だったなというようなプロジェクトの場面を切り出し、そこで、失敗の原因になるような意思決定や行動を「対話」の形で描いている。

そして、それに対して、どうすればよいかを簡潔に説明した上で、今度は、よい意思決定や行動を「対話」の形で描いている。

対話はテンポがよく、言外のニュアンスもうまく描いてあり、参考になる。解説は簡潔で読みやすく、ポイントも適切だと思うので、全体としてコンパクトなのだが、かなりのことが伝えられる一冊である。

また、これ以外にコラムがあり、コラムでは比較的トピックス的な話題をこれまた、簡潔に説明している。

読み方としては、まず、悪い事例で、どこが問題かを考え、その上で、著者の考えを書いた解説を読んで確認する。そして、自分ならどう行動修正するかを考えてみて、よい事例を読んで確認するという手順で読んでいける。

考えながら、気づきながら読んでいくことで、かなりのコンピテンシーの開発ができると思う。

また、対話することそのものへの暗黙知も描かれているように思う。これが結構重要ではないかと思わせる本である。読んでいるうちに、仮に、悪い対話であったとしても、対話をすることが重要だと思ったのだ。うまくいかなければ、なぜ、うまくいかないかを考え、そこからさらにうまくいく方法を模索していくという行動学習が行われる第一歩は対話である。その意味で、悪い事例からよい事例へどのように推移していけるかというのがポイントかもしれない。

最後に、この本と直接関係ないが、僕の経験でよい使い方があるので、提案しておく。プロジェクトチームでのチーム育成やチームビルディングのエクスサイズに使うと有益である。1回のミーティングで1例取り上げ、悪い事例をプロジェクトチームで読んでチームで議論する。それで、よい事例を配る。そこでどこが違うかを議論し、そのあと、プロジェクトマネジャーが著者の言っているポイントを中心にしてこういう風にしようとまとめると有効である。

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2007年4月16日 (月)

エンドユーザに待望のプロジェクトマネジメント解説書

4822262081_01__sclzzzzzzz_v234144_5 KPMGビジネスアシュアランス「ユーザーのためのプロジェクトマネジメント実践講座―計画からベンダー選定、進捗管理、本番移行、評価まで全33講座」、日経BP社(2007)

お奨め度:★★★1/2

情報システム導入プロジェクトのポイントを33の講座の形で解説した一冊。情報技術に関わる話から、プロジェクトマネジメントの方法、プロジェクトマネジャーの育成、PMOまで網羅的にポイントを抑えており、ユーザ企業には待望の一冊。

どのようなポイントについて解説されているかは、目次を見て欲しい。

ただし、全般的にベンダー側の視点から、ユーザが個のような対応をすればプロジェクトがうまく行くという色合いが濃い。情報化プランの策定についても、コンサルティングベンダーの考え方が色濃くでているように思う。

一般的に情報化プロジェクトは、ビジネスプログラムの一プロジェクトとして実際されることが多いが、プログラム中のプロジェクトのマネジメントとは若干ずれがある。

その点をよく理解した上でよめば、まさに待望の一冊になるだろう。

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2007年1月12日 (金)

マーケティングにおけるギャップに悩む人必読

4820118455_01__aa240_sclzzzzzzz_v4983141 石川昭、辻本 篤編「新製品・新事業開発の創造的マーケティング―開発情報探索のマネジメント」、生産性出版(2006)

お奨め度:★★★★

編著であるが、研究開発から製品開発、事業開発までバランスよくまとめられており、初心者が読むにも適した製品開発、事業開発のテキスト。

第2章では、戦略実行のための研究開発のあり方について解説されている。特に、マーケティングのさまざまな活動と研究開発活動をどのように関係付けていくかを丁寧に解説している。

第3章では、研究開発における意思決定について解説されている。テーマの選定および、継続中止などの評価と判断をどのように行うかを解説している。

第4章では、マーケティングにおける情報活動について解説している。

第5章では、研究開発活動における情報活動について解説している。

6章以下は、これらの解説を事例によって解説している。「からだ巡礼(TM)」、Webリコメンデーションシステム「教えて!家電」、ロボットの開発などの特徴のある事例を取り上げて解説しているので、とても面白い。

最後に9章では最近注目されている、クレームベースの製品開発について解説している。

経営戦略と研究開発、研究開発と製品開発のギャップに悩んでいる人にはとても参考になる一冊である。

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2007年1月10日 (水)

ERP、CRM、SCMと並ぶEMM

4901234919_01__aa240_sclzzzzzzz_v3496859デイブ・サットン、トム・クライン(高宮治、千葉尚志、博報堂ブランドソリューションマーケティングセンター訳)「利益を創出する統合マーケティング・マネジメント」、英治出版(2006) 

お奨め度:★★★★1/2

マーケティングという概念は分かりにくい部分があるが、それは、製品を企画し、開発し、販売するまでの一連の活動すべてであるにも関わらず、それらを体系的に取り扱う手法がないためである。

このため、ステージ間の連携においては、ヒューリスティック頼りの側面が強く、これがマーケティングはアートとサイエンスが混在しているといわれる一因になっている。

この本で提案されているEMM(エンタープライズ・マーケティング・マネジメント)は、これらの活動を統合的に扱うために考えられた手法である。統合的に使おうとするために、マーケティングのさまざまなステージにおける活動はすべて必然性と論理性が求められるようになり、これにより、マーケティングはサイエンスになる。

コトラーはこの本で紹介されているサットンとクラインの仕事を、「ERP、CRM、SCMと並ぶ効果効率の高い収益力のある事業運営のプラットホーム構成要素のひとつ」だと称している。

製品開発に関わる人は必読の一冊である。

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