楡 周平「象の墓場」、光文社(2013)
お奨め度:★★★★★+α
世界的なエクセレントカンパニーであるコダックをモデルにしたと思われるグローバル企業ソアラ社の日本法人を舞台にした小説。資本主義、企業文化、価値感、イノベーション、技術、組織と人などについて非常に深く考えさせられる一冊。
小説と調査に基づく学術書を比較すべきではないことは重々承知しているが、クレイトン・クリステンセン先生の「イノベーションのジレンマ」以上のインパクトがあった。
特に、小説(ストーリー)という形でしか書けないと思われる全体の構造が見事に書かれており、現場で起こる現象がなぜ起こっているかを、断片的なステレオタイプの指摘ではなく、コンセプチュアルに把握できる。イノベーションや変革に携わっている方すべてに強くお奨めしたい。
ビクター・マイヤー=ショーンベルガー、ケネス・クキエ(斎藤 栄一郎訳)「ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える」、講談社 (2013)
お奨め度:★★★★★+α
ビックデータについて論じた唯一の本だと言われている「Big Data: A Revolution That Will Transform How We Live, Work, and Think」の翻訳。ビックデータについて、その本質を知りたい人は、必読。最近、JR東日本がSuicaのデータの販売を始めて話題になっている。これが何を意味しているかをきちんと理解できていないのであれば、自分のためにも読んでおくことをお奨めしたい一冊。
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ベンカト・ラマスワミ、フランシス・グイヤール(尾崎正弘、田畑 萬、山田美明訳)「生き残る企業のコ・クリエーション戦略 ビジネスを成長させる「共同創造」とは何か」、徳間書店(2011)
お奨め度:★★★★★
1994年にコア・コンピタンス革命で新進気鋭の経営学者として注目され、ピーター・ドラッカーの後継者といわれたC・K・プラハラードの提唱したこれからの新しい経営思想である「コ・クリエーション」について事例を体系的に整理し、発展された方法論として概念をまとめた一冊。
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