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2011年12月 7日 (水)

ノリの正体を解明する(ファンが選ぶビジネス書27)

4532261171遠藤 功「伸び続ける会社の「ノリ」の法則」、日本経済新聞出版社(2011)

お奨め度:★★★★★

facebook記事「「ノリ」を生み出し仕組みづくり

「現場力を鍛える」、「「日本品質」で世界を制す!」など、比較的、硬派の論調で知られる著者の「ノリ」論。これまでの著作を読んでいる人は何となく、底辺で通じているものを感じながら読める組織活性化論。



著者がノリに興味を持ったのは、コネクターの自動組み立て機を製造販売する長野県駒ケ根市にある天竜精機の芦部社長の一言だったという。

人は何より、ノリが大切だと思う。気分よく働き、仕事そのものが面白いと思ったら、生産性は必ず高まる。

ノリとは何かというのは難しい問題だが、著者は知り合いの米国人に英語で何と表現するのか尋ねてみたところ、「Swing」が近いと言われたそうだ。ノリとはそもそも、音楽の分野で使われる言葉で、体が自然と動いてしまうような、軽快でリズミカルな状態をいう。「体が自然と動く」ことがポイントで、理性で動くのではなく、感性で感じ取り、体が自然に動き出すことがノリである。

そして、組織においては、ノリは土壌であり、戦略や組織や制度は、種とか、肥料、水だと例える。土壌が悪くなると、種や肥料がいくら良くても、だめだ。日本の失われた20年は、土壌を痛めてきた20年だと言える。

戦略を作って、実行しようとすればノリが不可欠である。「その気にさせる」、「勢いをつける」、「盛り上げる」といったことこそがノリである。ノリという感情的、情緒的な要素がなくては、いくら理詰めの戦略を描いても絵に描いた餅になる。戦略のコンサルタントとして著名な著者の言葉だけに重みがある。

ノリの正体は「気」であるという。そして、ノリをよくするとは、やる気の方向に気が向く状況を作り出すことだ。今、経営で必要なことは、組織内の気を充満させ、気の向きを定め、会社一丸となってその方向に気が向く状況を生み出すことだ。

ノリには生まれるメカニズムがある。音楽の場合であれば、音楽がノリを生みだし、それに反応した人たちが、それを他の人たちに自然にノリを伝え、大きな波のようになっていく。

このようにノリには「相互作用性」がある。一方でノリ自体が自然に生まれることはない。次に、環境がノリに大きな影響を与える。ノリ自体は内発的なものだが、どのような影響を受けるかは環境によって変わる。

このようなメカニズムがあるので、まずは個人のノリをどうつくるかが問題になる。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーは「仕事を祭にする」、そして、そこに関わるみんなを祭の仲間にするという。

そして、祭りに参加し、「仕事を忘れたときにいい仕事ができる」という。

これに対して、著者は、仕事を楽しむだけでは、本当のノリにならないという。そこに、仕事の成果やプロセスに対する認知や報奨が必要であるという。もちろん、金銭的なものではない。みんなで認め合い、褒め合うのだ。

個人にノリが生まれた次の問題は、組織のノリをどう高めるかである。このためには、2つのポイントがある。

・協働作業
・基本の徹底

の2つである。協働作業は職場のみんなが一つのことに取り組むこと。全員が一つの目的に向かって動くことができれば効果的だ。その際、重要なのはみんながやることだ。誰でもできることをやらない人は必ず出てくる。これは人間としての基本的な部分ができていないことによる。ここをまずは徹底しなくてはならない。

組織のノリを大きくする上で、経営者の役割は重要である。とくに、「ホラ」を吹くことが重要だ。ホラによって組織が委縮から解放される。

本田宗一郎は、1948年に会社を創設し、その6年後の1954年に、マン島TTに出場し、優勝すると宣言する。そして、なんと1959年には本当に初出場し、1961年には、二部門で1位から5位までに入るという快挙を成し遂げる。これこそ、ホラの効用である。経営者のホラが、従業員のノリを生み出し、ホラを本当にしてしまったのだ。

企業のノリは、神輿を担ぐことに似ている。いくらノリのよい社員がいても、かつぐ神輿がなければなにも起こらない。神輿が準備され、かつぐことによって、ノリも大きくなっていく。

組織のノリを大きくしようとすれば、「いいだしっぺ」を評価するのがよい。イニシエイタ―である。ミドルをイニシエーターとし、加点評価をする。これだけで、組織のノリは高まっていくだろう。

以上をまとめると、ノリを生み出すには、以下の7つの原則を守ればよい。

(1)創造の原則;ノリを意識的に生み出す
(2)日常性の原則;日常でノリを生み出す
(3)身体性の原則;体を動かす
(4)ストレッチの原則;目標をストレッチする
(5)認知の原則;周囲が認知する
(6)相互作用の原則;ノリを他の人にうつす
(7)共感の原則;共感を得る

ノリを実際につくっていくには、言語と行動を変えるとよい。言葉では、ポジティブワード、ノリワードを積極的に使う。行動では、とにかく動く。

仕事の中では

・「適度なストレス」を感じる仕事を与える
・仕事を自分で選択する
・仕事の意味を見直す

といったことが有効である。

また、人間関係の再構築をすることも有効だ。

ノリというのは得体のしれないものだが、見事にノリを生み出す方法を体系化している。動機づけとは微妙に違うし、組織風土をつくることとも微妙に違う。

たとえば、プロジェクトを実施するときに、うまく使うと、非常に有効な武器になるように思う。

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