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2007年12月 7日 (金)

機能不全に陥った上司・部下関係を救う

4492532374 豊田 義博「「上司」不要論。」、東洋経済新報社(2007)

お薦め度:★★★★

良い上司になるには、上司を使うには、といった「上司・部下」本は八重洲ブックセンターにいけば100冊はくだらないだろう。本屋にこの本が平積みされているのを発見したときに、東洋経済新報もついにこの種の本に出したかと、意外感を持って、手に取った。

手にとって、納得。僕は初めての著者の名前のときには、中身ではなく、奥付にある著者のプロフィールをまず見る。この本の著者の豊田義博さんは日本でも有数の人材マネジメントのシンクタンク「リクルートワークス研究所」の主任研究員なのだ。ご本人もまえがきで書かれているが、主任研究員なので、当然部下はいる。

このあたりで、俄然、興味が高まり、とりあえず、買ってホテルに戻り、一気に読んだ。

面白い!

というより、痛く共感。

リクルート ワークス研究所による職場意識調査の成果をもとに、今までの「上司・部下」本では触れられてこなかった視点から、今日の上司・部下問題を書き起こした一冊。この本に書かれていることを簡単にいえば、職業意識が変わっている中で、当然、上司と部下の心理的な関係も変わる。にも関わらず、新しい関係構築がされていない。これでは、上司と部下の関係は機能不全に陥って当たり前。この問題を解決する方法は関係のリストラクチャリング以外にない。

書き方も工夫されている。ステレオタイプの上司のキャラクタとその行動をマンガで描き、そのキャラクタを使って分析結果を説明するという書き方をしているので、内容そのものは固いのだが、結構、気軽に読める。

ただ、この本、パレートの法則でいうところの20%しか、見ていないような気がする。調査の詳細が書かれていないので、推測にすぎないが、たとえば、僕が最近、はまった本、
田北百樹子「シュガー社員が会社を溶かす」、ブックマン社(2007)4893086715

といった80%の現実に、どのように答えるのだろうか?という疑問は残った。まあ、パレートの法則だから20%に対処すればよいという気もするが、、、

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目次

第1幕 上司をめぐる表層
まずはお勉強 当世サラリーマン「種の研究」/こんなに違う! 世代別「働く意識と行動」徹底比較/会社には、見えない2つの壁がある
第2幕 上司をめぐる中核
プレイバック! 5人の若手時代の仕事ぶり/「会社が育つと仕事が変わる」という法則 /上司がヒマだったって、本当ですか?
第3幕 上司をめぐる底流
あなたの職場では、仕事が見えますか?/会社は仕事をする場って、本当ですか?/上司は部下を育てていたのか?
終章 さよなら上司
上司をめぐる歴史的探訪/上司のリストラを実行する/このままでは浮かばれないG4、G5 のみなさんのために

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