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2006年8月

2006年8月29日 (火)

シナリオを問題解決に活かす

453231289201 高杉尚孝「問題解決のセオリー―論理的思考・分析からシナリオプランニングまで」、日本経済新聞社出版局(2006)

お奨め度:★★★★

問題発見→課題設定→解決案抽出→代替案評価→実行

の問題解決プロセスのフレームワークに、問題のタイプを分類し、各フェーズでのツールを紹介している。

問題のタイプは

原状回復型問題

潜在型問題

理想追求型問題

であり、第一部では、それそれに対して、実践的な進め方が解説されている。

第二部では、これらの問題解決の際のポイントとして、意思決定を取り上げ、シナリオによる意思決定について詳しく解説している。シナリオの作成手順、シナリオに基づいた代替案の作り方、解決策の選択手順が非常に分かりやすい解説されており、おそらく、日本語で読めるシナリオプラニングの本の中では最も読みやすいのではないかと思う。

第三部はフレームワークであるが、このパートは特に特徴はない。ただ、コンパクトにロジカルシンキングがまとめてあるので、さっと読んで理解するにはもってこいだ。

プロジェクトマネジャーなら特に第二部を中心にこの本を一冊読んでおくといろいろな局面で役立つだろう。

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2006年8月20日 (日)

2007カレンダー~自然派なら、これ

383271582701 National Geographic - Landscapes 2007 Calendar

お奨め度:★★★★★

デザイン性:★★★★★

実用性:★★★

毎年、使っているカレンダー、その2。

National Geographic のポスターカレンダー。12ヶ月、毎月、めくるのが楽しい。見ていると、爽快な気分になる。これをかけるのは、ベッドルームがお奨め。

National Geographic は10種類以上のバラエティがあるが、2007年分で気に入っているのがこれ。

383271594001 National Geographic Wonders of Nature 2007 Calendar

それからこれもいい。

383271620301 National Geographic Rainforest 2007 Calendar

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2007カレンダー~かっこよさを求めるなら、これ

383271592401 Architecture 2007

お奨め度:★★★★★

デザイン性:★★★★★

実用性:★★

毎年使っているカレンダー、その1。

98 x 34 の巨大カレンダー。建築物のアーキテクチャーをモチーフにし、世界中のすばらしいアーキテクチャーの建物の写真。

本当にアーキテクチャーの特徴を表現するのに、この縦横比がよい。とくに、1mという長さはすばらしい!

このカレンダーを壁にかけていると、なんか、デザイナーになったような気分になれるかも。

2007カレンダー~水平線や地平線で雄大な気持ちになる

381706722401_2 Reisen zum Horizont 2007

お奨め度:★★★★★

デザイン性:★★★★★

実用性:★★★

こちらはArchitecture 2007 Calendarと対照的な、横長カレンダー。モチーフは水平線や地平線。つまり、horizon。

このカレンダーももう、ずいぶん、長く使っている。

このカレンダー、かけておく場所を考えて買ったほうがよいとアドバイスをしておこう。

職人をビジネスにする

482720238901

480611760909 岡野雅行「俺が、つくる!」、中経出版(2003)

お奨め度:★★★★1/2

岡野雅行「人のやらないことをやれ!―世界一の技術を誇る下町の金型プレス職人、その経営哲学と生き方指南」、ぱる出版(2006)

お奨め度:★★★★

岡野工業の岡野社長は、最も有名な中小企業経営者の1人だ。岡野工業はプレス業であるが、プレスで常識を超えた商品をどんどん作り出して一躍有名になった。

岡野工業は中小企業としてもそんなに大きな企業ではない。いわば、職人の企業である。日本でソフトウエア開発業に従事しており、米国に憧れる人のワークスタイルが岡野工業のワークスタイルにある。プレス業はソフトウエアと異なり、典型的な設備産業であることを考えると、ソフトウエアで実現するよりははるかに難しいし、職人としての腕が必要。そこが、岡野社長のすごさである。

そんな岡野さんが職人をビジネスとしてやっていくためのノウハウ本(仕事術)ともいえるような本を出版した。これが大変面白い。

441303604201_1岡野雅行「世界一の職人が教える仕事がおもしろくなる発想法―結果が出ない人はいない」、青春出版(2006)

お奨め度:★★★★1/2

結果を出すためには、やり方そのものも大切だが、もっと大切なのが企画であるということを岡野社長流の書き方で相当踏み込んで書かれている。

一言でいえば、誰もやらないことを何とかしてやり遂げると、人も金もついてくるという非常にシンプルだが難しいことを言っている。

問題は誰もできないことがやりたいことかどうかだ。まあ、これは価値観の問題だ。岡野社長のように、人のできないことをどうやるかを考えるのが何よりも楽しいと思えるというのが、職人がビジネスに適応していくために最も重要なコンピテンシーかもしれない。

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2006年8月18日 (金)

戦略マネジャー3点セット

447849022809_1齋藤嘉則「問題解決プロフェッショナル「思考と技術」」、ダイヤモンド社(1997)

バーバラ・ミント「考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則」、ダイヤモンド社(1999)

447849027909_1
照屋華子、岡田 恵子「ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル」、東洋経済新報社(2001)

「戦略マネジャーの三種の神器」は

449253112209 ・問題解決スキル

 ・論理思考スキル

 ・ビジネスコミュニケーションスキル

である。

この3つについて、上の3冊は、おそらく日本で最初の本であるが、いまだに他の追従を許さない定番本でもある。

改めて紹介の必要もないだろう。アマゾンの書評の数と評価が全てを語っている。

まだ、読んでいない人は、ぜひ!

2006年8月 7日 (月)

(終了)300エントリー達成!アンケートにご協力ください。

Thanks いつも、「ビジネス書の杜」をご活用戴き、ありがとうございます。

「ビジネス書の杜」も皆様に支えられ、エントリー(記事)が300本を超えました。つきましては、今後、より、皆様に活用されるサイトになるように、アンケートを行うことにしました。

アンケートにご回答戴いた方の中から、抽選で10名様にアマゾンギフト券3000円をプレゼントさせて戴きます。

ビジネス書の杜アンケートに回答する  

  88名の方の回答を戴き、終了しました。

  ご協力ありがとうございました。

  アンケート結果は整理出来次第、ブログで紹介します。

アンケート期間:2006年8月7日~20日(24:00まで)

当選者発表:2006年8月21日(当選者の方にはメールでお知らせします)

 抽選の結果、タイプスタンプ順で

 12 20 24 34 39 41 46 63 65 70  の10名の方が当選になりました。

 当選された方には、8月21日中にメールを差し上げますので、

 お楽しみにお待ちください。

今後とも、ビジネス書の杜をよろしくお願い致します。

=====

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ヤクザに学ぶプロジェクトマネジメント

448006255601_1 山平重樹「ヤクザに学ぶ組織論」、筑摩書房(2006)

お奨め度:★★★1/2

この種の本をどのように評価するかは難しいところだ。いくら、ヤクザのシノギが経済活動になったといっても、ビジネス組織とヤクザ組織はまったく違うだろう。極端な例で、役に立たない。まずは、こういう評価があるだろう。

一方で、組織としての本質は変わらない。コンプライアンスに目をつぶれば、組織としてうまく行っていることは事実であるので、大いに参考になるという評価もあるだろう。

一ついえることは、山平重樹氏はよく業界を知っており、読み物として非常に面白い。これは間違いない。

実は、ビジネスを睨んだ本はこれが初めてではない。非常に話題になったのはこの本。

434440312601 山平重樹「ヤクザに学ぶ交渉術」、幻冬舎(2002)

この本の内容もさることながら、アマゾンの書評を見て非常に興味を持った。役に立つ、くだらないという意見が二分されているのだ。

僕自身がどう思ったかというと、ヤクザというのは組(織)を背景にして動いているのだと思っていたが、意外とそうでもないなということ。ビジネスでいえば、ベンチャー企業などはこういう発想でやらないとなかなか、既成ビジネスや大きな企業に対抗できないだろう。

逆に大企業の発想でいけば、品がない、まともな発想ではないという理屈になる。実際に、ベンチャー企業を「ヤクザ呼ばわり」する大企業の社員には、何度となくお目にかかったことがある。

もう一冊、こんな本も出ている。

4344403657 山平重樹「ヤクザに学ぶ指導力」、幻冬舎(2003)

こちらも同じような感じ。

さて、肝心の今回の新書だが、上の2冊は幻冬舎のアウトロー文庫というやや、際物シリーズから出たものであるが、今回は、筑摩新書である。その分、書き方はおとなしく、読み物としてはそんなに面白くない。その分、考察が多くなっており、ちゃんとした組織論の本である。

違う見方をすれば、前の2作は人の行動を問題にしたものに対して、今回は組織なので、その違いもあろう。

しかし、プロジェクトの組織マネジメントをするときに、非常に役に立つ内容である。

プロジェクトマネジメントのコンサルティングをしていると、組織の品格がプロジェクトとしては足かせになっていると感じることがちょくちょくある。「お行儀がよい」というやつ。もう少し、タフなネゴをすればいいのにと思うようなことも少なくない。

ちょうど、今、「テレビで行列のできる法律相談所」をやっていて、「電気屋で16万3千円のテレビを競合店で15万円で売っているとうそをいって、値引きさせたら詐欺になるか」という問題で、意見が真っ二つに割れているが、結局、こういうレベルの交渉をどう考えるかだ。コンプライアンスに問題ありだと考えるか、方便だと考えるか?

法律的な問題はよくわからないが、ビジネスとしてみれば、15万円で売って赤字がでるなら、期末決算期のような特別な状況を除くと、値引き交渉には応じないだろう。仮に何らかの理由で応じたとしても、何らかの利益はあるのだ。それは間違いない。ビジネスとはそういうものだ。そう考えると、必ずしもビジネスエシックスを逸しているとも言い切れない部分がある。あくまでも、CIのレベルの問題だろう。

組織の品格を保ち多少の経済的犠牲はよしとするか、タフなネゴをして何とかしてプロジェクトを成功させるかは自由だ。ただし、両立ができるケースは少ないということはキモに命じておく必要がある。

まあ、死に物狂いで、対面をきにぜすに、しかし、エシックスは保ちながらプロジェクトを薦めていくようなプロジェクトマネジメントをするのであれば、この3冊は、全て役に立つ本だと思う。

2006年8月 5日 (土)

今すぐに返事をくれといわれたら、、、

482074376701 中島一「プロフェッショナルをめざす人のスピード意思決定」、日本能率協会マネジメントセンター(2006)

お奨め度:★★★★

プロジェクトを進めていく中で、意思決定が遅かったという後悔をしたことがない人は珍しいのではないだろうか?意思決定は、マネジメントの基礎中の基礎であるにも関わらず、常に、いろいろな側面から問題になる。特に最近はスピードの問題がよく指摘される。

この本はスピード感のある意思決定を6つのステップで実現する方法について書いている。

6つのステップはそんなに奇抜なものではなく、

1)意思決定のトリガーの確認

2)状況の把握

3)選択目的の確認

4)実行案の作成

5)選択基準の設定と選択

6)リスク評価と対策

の6つである。切れ者マネジャーを頭に思い浮かべる、確かにこの通りにやっているなという納得のステップだ。

書いていることはいわゆる仮説思考である。

仮説思考の本というのはありそうで意外とない。その中では、BCGの内田和成氏の「仮説思考」がお奨め。

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仮説思考

449255555209 内田和成「仮説思考 BCG流 問題発見・解決の発想法」、東洋経済新報社(2006)

お奨め度:★★★★

BCGの内田和成氏が自分のコンサルタントとしてのノウハウの集大成として書かれたような感じがする本。それが仮説思考であることは、当然といえば、当然だが、なかなか、興味深い。

日本人と米国人の知的生産性の違いを指摘する声は多いが、仮説思考の稚拙にあるのではないかと思う。この本と読んでいるとBCGの仮説思考のプロセスは業務プロセスそのものであり、それを具体的にどのような作業で構成していくか、また、作業のポイントは何かということがかなり詳細に書かれている。

彼らにとっては、仮説の質が、利益に直結してくるのだから、ある意味では当たり前だろう。

そのようなプロフェッショナルな領域まで行かなくても、ある程度、仮説を作って進めて生きたいのだが、そうは問屋がおろさない企業がある。それは、組織が仮説というのを理解できないから。そのような組織には、仮説を立てて進めていくと、仮説が外れるとそこで失敗だと思うマネジャーが多い。

すると網羅的に進めざるを得ない。1ヶ月で済む仕事が、3ヶ月になるといったことになる。

そんな組織にとってどのくらい有効な思考法であるかは疑問だが、仮説思考の解説書としては非常に分かりやすいし、こつも抑えることができる一冊である。

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