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2006年3月

2006年3月31日 (金)

実践的なリーダーシップ論

483555656909lzzzzzzz 新里聡「実践リーダーシップ「リーダーは君だ!」―リーダーシップ実践のための12ステップ」、文芸社(2003)

お奨め度:★★★★

実践という名前の通り、非常に実践しやすい形でリーダーシップを12のステップで身につけようという提案をしている。偶然見つけたが、かなり、優れもの。

1時間目:リーダーは夢を持て!

2時間目:リーダーシップを発揮するとは?

3時間目:破壊から創造への自己リーダーシップ

4時間目:人の力を引き出し、組織力を高めるリーダーの派だライムとは

5時間目:プラス思考のリーダーシップ

6時間目:自己解放のリーダーシップ

7時間目:生まれてきたことは、スゴイこと!

8時間目:パートナー型リーダーシップへの転換

9時間目:ミッションが人と組織を活かす!

10時間目:実践ミッション経営の極意!

11時間目:リーダーはコミュニケーションのプロフェッショナル

12時間目:実践コミュニケーション

と12ステップが続く。

リーダーシップは「お化け概念」だとよく言われるが、そのお化けを、いろいろな角度から非常にやさしく解説している。お奨めです!

2006年3月29日 (水)

リーダーシップの開発方法

490324110609lzzzzzzz D・クイン・ミルズ(アークコミュニケーションズ監修、スコフィールド・素子訳)「ハーバード流リーダーシップ「入門」 」、ファーストプレス(2006)

お奨め度:★★★★

リーダーシップのライフサイクルという、ある意味で当たり前で、ある意味でコロンブスの卵のようなリーダーシップ論である。

追記にある目次に注目してほしい。第1部のリーダーになるでは、リーダーシップの重要性を説き、リーダーになる方法について議論している。第2部では、リーダーとして成功するということにフォーカスして、職場のリーダーシップやパートナーシップについて議論している。第3部では、キャリアとリーダーの関係、そして、第4部では人生におけるリーダーシップについて議論している。

全体として、キャリア発達(ライフサイクル)の中で、リーダーシップをどのように捉え、どのように扱っていけばよいかの指南書になっている。

以前、キャリア開発とリーダーシップ開発の具体的方法論を解説した本として、HRインスティテュート「リーダーシップのノウハウ・ドゥハウ」を紹介したことがあるが、この本よりもさらに突っ込んで、リーダーシップのライフサイクルに踏み込んでいる。

HRインスティテュートの本のようにツールを提案しているわけではないが、議論に非常に具体性があり、リーダーシップ開発の具体的なイメージを得ることができる。上の記事にも書いたが、リーダーシップは、コミュニケーションスキルやネゴシエーションスキルなどと異なり、ヒューマンスキルとして開発できるものではない。

そのような考え方がフィットする人はこの本は大変貴重な本であろう。

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2006年3月22日 (水)

PM Magazine No.5

479810999109lzzzzzzz 翔泳社「PM Magazine Vol.005」(2006)

ご存知、翔泳社から発行されている日本唯一のPM専門誌 PM Magazineの第5号です。

今回の特集はリーダー行動術。プロジェクトマネジャーにとってはとても気になるテーマですが、ヒューマンソフトマネジメントスキルという観点からかなり広く、捉えられています。

好川はこの雑誌で連載をしてきましたが、第5号の今回で連載を終了することになりました。今回は最後ということで、メルマガ読者を中心にお願いしてきた、PMコンピテンシーのアセスメント結果を見ながら、PMコンピテンシーについて語っています。

あと、PMAJの副会長の佐藤義男さんとのPM育成、組織のPM力強化をテーマにした対談があります。ただ、好川はファシリテータタイプのリーダーなので、対談というよりは、一見したところ、好川がホストのインタビュー記事みたいな感じになっています。まあ、佐藤さんとは比較的考え方が似ていると思うので、ファシリテーションをしているわけではありませんが、、、

ぜひ、お読みください!

2006年3月20日 (月)

パワー交渉術

492511258901lzzzzzzz ジム・トーマス(安達かをり訳)「パワー交渉術―絶対に成功する21のルール」、トランスワールドジャパン(2006)

お奨め度:★★★★

ジム・トーマスは弁護士や実業家であるとともに、世界的に著名なネゴシエータである。そのトーマスの交渉術をまとめた一冊。彼のノウハウのすべてが、

21のルールと、50の金言として整理されている。ルールは「7つの決定的なルール」、「4つの重要だが、当たり前のルール」、「10のちょっとしたコツのルール」の3つのカテゴリに分けられている。7つの決定的なルールとは

 ルール1:タダで物をあげない

 ルール2:高い要求から始める

 ルール3:劇的な最初の譲歩の後には、極端に少ない譲歩をする

 ルール4:早めにそして、マメに粘る

 ルール5:個別に問題を解決してはいけない。最終的には、抱き合わせ案としてのみすべての問題を解決しよう

 ルール6:「もうひと押し」して交渉をまとめる

 ルール7:創造的な譲歩(価値が高く、低コストな)を追求する

の7つである。これに対して、ルール1では、トーマスの金言として

 ・代わりに何かを得ることなく譲歩をするな

 ・相手に「ノー」と拒否するのは避けるべし。「いいですよ、もし」の方がよい

などである。役に立つ一冊。

蛇足だが、この本の冒頭に、彼のお国柄による交渉術の巧拙に関する評論がある。彼によると日本人は世界でも屈指の交渉術を持つ国だそうである。これについては、こちら。

2006年3月19日 (日)

7つの習慣を具体的に実践する

490663841401lzzzzzzz_1 スティーブン・コヴィー(フランクリンコヴィージャパン訳)「ビジネスに活かす12のストーリー―「7つの習慣」実践ストーリー<1> 「7つの習慣」実践ストーリー-希望とインスピレーションあふれる- (1)」、キングベア出版(2006)

お奨め度:★★★

コヴィーの7つの習慣を12のストーリーで説明している本。7つの習慣は、

主体性を発揮する
目的を持って始める
重要事項を優先する
Win-Winを考える
理解してから理解される
相乗効果を発揮する
刃を研ぐ

というリストを見る分には、「お~、そうだ」と思う。

しかし、本を真剣に読んでみても、なかなか難しいものがある。書いてある内容が難しく、ぴんとこないという人が多いのだ。

490663801509lzzzzzzz_1
スティーブン・コヴィー、ジェームス・スキナー(川西茂訳)「7つの習慣―成功には原則があった!」、キングベアー出版(1996)

昨年、このツール集が出た。フランクリンコヴィージャパンでは、7つの習慣を実行するためのツールを開発して、販売しているが、これを書籍として一般公開したものだ。

4906638384_1 スティーブン・コヴィー「7つの習慣 演習ノート―ビジネス、プライベート、家庭で、効果的な人生を送るための 成功への原則がよくわかる!」、キングベア出版(2006)

これをいろいろな人に紹介してみたが、やはり、ファシリテータがいないとツールを使いこなすのは難しいようである。

そこで、今回の本ということになろう。

12のストーリーで説明しようとしているが、いずれもショートショートであるので、これで具体的なイメージを持つのは難しいだろう。

ただし、同じ境遇にあれば、ぴんとくる可能性は多い。タイトルからも分かるようにこれからもシリーズ化をしていくようなので、そのうち、自分の抱えている問題に一致するものがでてくるかもしれない。気楽に待つとよいだろう。

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トヨタ版7つの習慣

447930017109lzzzzzzz_1 若松義人「最強トヨタの7つの習慣―なぜ「すごい工夫」が「普通」にできるのか」、大和書房(2006)

お奨め度:★★★★1/2

トヨタの組織マネジメントのコンピテンスを7つの習慣になぞらえて書いている。著者はカルマンの若松社長だが、彼はトヨタについて数多くの分かりやすい著書があるが、この本が一番、気に入った(すべての著書を読んでいるわけではないが10冊は読んでいる)。

さて、トヨタの7つの習慣とは以下の7つである。

第1の習慣 「ケタちがい」の発想から入る
第2の習慣 「わが社」を主語にしない
第3の習慣 「なぜ」を五回繰り返す
第4の習慣 成功体験をリセットする
第5の習慣 成功より成長を目ざす
第6の習慣 忙しさを恥じる
第7の習慣 「みんなの力」を心から信じる

いずれもトヨタウェイとして有名なものである。コヴィーの7つの習慣は明らかに理論的な体系があるが、トヨタの7つの習慣は7つ大切なものを書き出してみたという感じであり、多くのエピソードの支えられている。

その分、凄みがあると思う。

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2006年3月17日 (金)

創造的なアイディアを生み出す方法

453231268x01lzzzzzzz マイケル・レイ(鬼澤忍訳)「ハイエスト・ゴール―スタンフォード大学で教える創造性トレーニング」、日本経済新聞社(2006)

お奨め度:★★★★1/2

最近でこそ、キャリアという言葉が盛んに使われるようになってきたが、どれだけ実感を持って議論されているかというのは怪しい。この本は、自分の人生にとって、キャリアがどのように位置づけられるかを気づかせてくれる本だ。

よいリーダーを育てるには、キャリアの議論は避けて通れない。当たり前の話であるが、リーダーには、自分のキャリアを賭けて意思決定をせざるを得ない局面は必ずある。プロジェクトマネジメントのようなテクニカルな色合いが強いマネジメントリーダーでもこの話は避けて通ることはできないだろう。

この議論に興味がある人は

決定的瞬間」の思考法―キャリアとリーダーシップを磨くために

を読んで見てほしい。

そこで、リーダーとして活躍しようとしたときにポイントになるのが、その人の人生の目標である。この本は著者のマイケル・レイがスタンフォード大学で「ビジネスにおける個人の創造性開発」コースを実施していく中から生まれてきたものである。マイケル・レイの経験では、そのコースで学んだ後に、創造的な仕事で成果を挙げている人たちに共通しているのが、人生に「最高のゴール(ハイエストゴール)」を設定していることだという。

ストーリーは明快である。最高のゴールを設定し、それを目指す人生を送ろう。そのために何ができるか?真の成功を目指す、不安を突破口にする、他人をかかわりあう、あらゆる瞬間にシナジーを感じる、生産的なリーダーになるといったことを実践していこうという話である。

しかし、この本はよくある「成功」の啓蒙書ではない。MBAコースで使われているれっきとしたテキストである。そのためか、書き方は多少堅いが、逆にそれが多くの含蓄をもたらしているように思う。

ぜひ、じっくりと読んでみてほしい。ちなみに、昨年の「意志力革命」以来、+好川塾+でやりたいと思う本である。塾でかけることも検討中であるので、乞うご期待。

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2006年3月14日 (火)

コスト削減が社員を元気にする

447837510009lzzzzzzz 村井哲之「社員のやる気に火をつける! コスト削減の教科書」、ダイヤモンド社(2006)

お奨め度:★★★★

コストに関する取り組みをたくさんあげて、それが如何に社員に影響を与えているかを解説している。

興味深いのは、何かとネガティブなことが多いコスト削減をポジティブに捉えていること。この本では、

・過去1年間のデータを基に、コスト構造の「全体像」を描き出す
・常に、「契約の中身そのもの」にさかのぼり、そこからの改善を考える
・どんな経費項目であっても、削減の取り組みの順番を守る
・コスト削減のために新たな投資はしない
・コスト削減のための、外部の最先端ナレッジを徹底的に活用する

の5つを実行することにより、社員が動機付けられ、会社が元気になると述べている。コストカットというとなんとなく押し付けられるようなイメージがあるが、経験所、実際に、現場が主導して行う活動の中で、みんなが喜々として取り組むのがコスト削減である。

それをうまく組織マネジメントに使おうというのはまさに、コロンブスの卵的な発想であり、特にプロジェクト組織のマネジメントには有効だと思う。

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2006年3月10日 (金)

毒をもって毒を制す

449252159301lzzzzzzzジェームズ・フープス(有賀裕子訳)「経営理論 偽りの系譜―マネジメント思想の巨人たちの功罪」、東洋経済新報社(2006)

お奨め度:★★★

マネジメント論というのは必要悪だと思っている人は多いと思う。しかし、なぜ、必要悪かと問われると答えに窮するのではないだろうか?

僕はこのスタンスはよいと思う。最終的にどういう答えが得られるかではなく、ポジティブな側面だけでなく、ネガティブな側面を見ていかないと、マネジメント論というのはうまく活用できないのではないかと思っているからだ。

企業経営の中で組織にそれだけの余裕があるかどうかは別にして、必要悪という視点から、マネジメントの仕組みを徹底的に議論することによって、初めて何が必要かがわかるように思う。

その意味で、このようなマネジメント書はあってもいいと思う。

ただし、完成度という点ではどうかという気もする。特に、何を基準に、テイラー、ギルブレス夫妻、ガント、メフォレト、イヨー、バーナード、デミング、ドラッカーの9人を選んだのかは疑問である。が、書籍のモチーフに適した9人だとも思える。

まあ、一度、読んでみてください。という一冊ですね。ちょっと高いけど。

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2006年3月 7日 (火)

周囲の人の支援を引き出すリーダーシップ

492511269401lzzzzzzz_1 サミュエル・ バカラック(坂東智子訳)「統率力。」、トランスワールドジャパン(2006)

お奨め度:★★★★

タイトルを見て手にとったが、手に取る前にイメージした「統率力」とはイメージが合わなかった。この本のキーワードが「政治的手腕」だったからだ。

読んでいくうちになるほどと思った。統率力というと、指導力と同じような響きがあり、人を上から引っ張っていくようなリーダーシップ論のイメージが強い。つまり、組織内の支持がポイントになっている。

しかし、この本は、組織外の支持、つまり、支援を引き出すことが同様に重要なポイントだと指摘しており、それゆえの政治的手腕の重要性を説いている。

確かに、戦国武将であれば、先頭に立ち、組織をまとめる能力が重視されるだろうが、ビジネス、特に最近のようなネットワーク経済下でのビジネスを考えると、自分の率いるチームを統率していく力としてより重要なことは外の支援をいかに引き出すことだというのは、なるほどと思うものがある。

これからのビジネスリーダー、プロジェクトリーダーにぜひ読んで頂きたい一冊である。

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