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2005年4月

2005年4月28日 (木)

セクシープロジェクトで差をつけろ

4484003120 トム・ピーターズ(仁平和夫)「セクシープロジェクトで差をつけろ!」、ティビーエスブリタニカ(2000)

お奨め度:★★★★1/2

プロジェクトが面白くない、やらされている、いやいややっている。

仕事が面白くない

そんな人は、この本を読んでみよう!「エクセレントカンパニー」で名を馳せたビジネスコンサルティングの巨匠「トム・ピーターズ」のプロジェクトマネジメント論!

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実践・リスクマネジメント

482011767X プレストン・G.スミス、ガイ・M.メリット(澤田美樹子訳)「実践・リスクマネジメント―製品開発の不確実性をコントロールする5つのステップ」、生産性出版(2003)

お奨め度:★★★★1/2

PMIのアワードを受賞し、リスクマネジメントの定番になるかもしれない本。内容は難しい。しかし、それはリスクマネジメントというのはそんなに簡単なことではないと思うことができる1冊。何だこれと思うような概念がたくさんある。しかし、よく考えてみると理にかなっている。この繰り返し。

読み通すには時間がかかるが、この本を一冊読めば、製品開発におけるリスクマネジメントは格段に進歩するだろう。

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2005年4月25日 (月)

知識コミュニティにおける経営

4431711414R.H.バックマン(日本ナレッジ・マネジメント学会翻訳委員会訳)「知識コミュニティにおける経営」、シュプリンガー・フェアラーク東京(2005)

お奨め度:★★★★

米バックマン・ラボラトリーズ元会長によるナレッジ・マネジメントの解説書である。興味深いのは、ナレッジマネジメントの解説をしているのだが、単に仕組みやナレッジマネジメントの方法論の話にとどまらず、ナレッジコミュニティを経営するという視点から話を展開している。このため、バーチャルチームの話なども出てくる。もちろん、内容的には自社(化学メーカ)の事例であるので、説得力はある。

プロジェクトをナレッジコミュニティとして運営していきたいという方向性を考えているマネージャーにとってはこの上ない参考書になるだろう。

2005年4月24日 (日)

現場力を鍛える

4492531718 遠藤功「現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの条件」、東洋経済新報社(2004)

お奨め度:★★★1/2

遠藤氏は「現場」を体系的に語れる貴重な存在である。この本も期待にたがわない。

この本の中で、現場力について

企業のオペレーションを担う現場が持つ組織能力のこと。具体的には、現場自らが問題を発見し、解決する能力を指す。この組織能力には企業間格差があり、現場力の高い企業は持続力のある競争力を確保している

という定義をされている。この能力が弱くなってきているというのがこの本の背景であり、現場力を強くするための7つの条件が説明されている。

現場力を鍛えた先に待っているものは、オペレーションエクセレンスである。遠藤氏はオペレーションエクセレンスについて

 MBAオペレーション戦略

の中でかなり突っ込んだ議論をしているので、こちらも併せて読んでみるとよいだろう。

オペレーションエクセレンスと現場力は、矛盾している部分もある。そのあたりをきちんと整理しながら読んでいく必要がある。

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経営の「突破力」現場の「達成力」

4889562753大工舎宏, 平山賢二「経営の「突破力」現場の「達成力」―経営と現場を結ぶ4つの実践手法」、日本プラントメンテナンス協会(2004)

お奨め度:★★★1/2

「収益構造展開」「KPIマネジメント」「目標/方策マトリクス」「スコアカード」

という4つのツールを使って、経営と現場を結ぶ実践的手法を解説している。

これらのツールにより、「勝てる目標」を設定し、それを現場で達成する方法が示されている。

現場では、経営の利益に対する考え方が分からない中で、利益に対する意思決定を求められるケースが多い。バランススコアカード系の手法は経営からアクティビティに展開するツールとしては有効だと思うが、逆方向の流れ、つまり、現場から経営へのフィードバックができにくい。

ここで提案されている手法は、その点において優れている。

〈図解〉あの新“勝ち組”IT企業はなぜ儲かるのか?

4774122904 三浦優子「〈図解〉あの新“勝ち組”IT企業はなぜ儲かるのか?」、技術評論社(2005)

お奨め度:★★★1/3

ホリエモン本の中においてあったので手にとってみたら、これが以外(失礼)と大当たり。いわゆる勝ち組IT企業を取り上げて、その企業の活動を4ページ程度で紹介しているが、非常に良質の分析がされており、ビジネスモデル大全といったような趣の本に仕上がっている。

これが1000円は安い!このブログは価格に関係なく、書籍を評価したいと思っているので、上のような評価だが、価格を入れるなら文句なく★★★★★。

それにしても、日本のIT企業もかんばっているなあとつくづく思う。ガンバ!

世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント

4893468995サニー・ベーカー+キム・ベーカー+G・マイケル・キャンベル(中嶋秀隆, 香月秀文訳)「世界一わかりやすいプロジェクト・マネジメント」、総合法令(2005)

お奨め度:★★★★1/2

訳者あとがきに、訳者の中嶋・香月氏が一昨年のPMIの年次大会で、いろいろな国のコンサルタントとプロジェクトマネジメントの実用書の極め付きの1冊という話をしたら、この本になったというエピソードが書かれている。そのくらいすばらしい本だと思う。

この本で著者の説いているプロジェクト成功の12の黄金律がある。この黄金律をみて、なるほど、と思えたら、この本から得られるものは多いだろう。

1. 成果物について合意を得る
2. 最良のチームを育てる
3. しっかりしたプロジェクト計画書を作り、更新を怠らない
4. 本当に必要な資源を判断する
5. 現実的なスケジュールを作る
6. できないことはやらない
7. 常にヒトを大切にする
8. 正式な支援を取り付け、継続して確認する
9. 変更を躊躇しない
10. 現状を周知する
11. 新しいことに挑戦する
12. リーダーとなる

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2005年4月18日 (月)

意志力革命

4270000635 ハイケ・ブルック、スマントラ・ゴシャール(野田智義訳)「意志力革命~目的達成への行動プログラム」、ランダムハウス講談社(2005)

お奨め度:★★★★★

この種の本としては、非常に体系的、かつ、論理的である。まず、これが第一印象。そして、読み出すと、引き込まれる。現実を踏まえた問題提起とその問題に対する具体的な解決法が述べられている。

「あくせくしながらも結果として何もしていない」状態から、自らの意志を駆使し、目的意識を伴う行動をとって有意義な結果をもたらすことが出来るようにしていく。そんなことができればいいなと思う人には必読書。

組織(経営)が目的達成するために個人が行動をするという視点から、マネージャー、リーダー、個人がどのような取り組みをすればよいかをそれぞれの視点からプログラムとして具体的に書かれている。

この構図は、プロジェクト、母体組織、メンバーで、プロジェクトの目的を達成するにはどうすればよいかという問題にそのまま適用できそうである。

成功企業十数社の具体的な事例をもとに書かれている。このような事例が提示されていること自体、ちょっとした驚きであるし、この本の魅力でもある。

個人が成長し、組織が変わらないと、個人がジレンマに陥る。その点を無視した組織の中で活動する個人の成長論というのは現実性に乏しい。この本のすばらしさは、そこの連鎖を十分に意識している点にある。

難点は、かなり、抽象度の高い記述になっている。かなり、本気で読まないと難しい。そのような本気が報われる本でもある。

あとがきもよい。この本の著者のひとりであるスマントラ・ゴシャールは、訳者の野田氏によると、稀有の経営学者だそうで、この本を世に出してすぐに他界したそうだ。野田氏は「異才」という表現を使っているが、まさにその言葉を彷彿させる本である。

そのスマントラ・ゴシャール博士の活動について、エピソードを交えて詳しい解説がされている。この解説を読むと、本書の読解の助けになるだろう。

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2005年4月15日 (金)

考具

4484032058加藤昌治「考具―考えるための道具、持っていますか?」、ティビーエスブリタニカ(2003)

お奨め度:★★★

21世紀になってから、思考法ブームがずっと続いている。しかし、どうもしっくりこないと感じられる人も多いのではないかと思う。

思考法など一朝一夕にできるものではないし、たとえば、品質管理の世界では、古くからQC7つ道具というような名称の道具があるように、自分の道具箱の中に入れておいて、必要に応じて引き出し、使うものだ。

しっくりこない理由に、そもそも、「道具箱の中に何を入れておけば間に合うのか」、つまり、QC7つ道具のようなイメージがはっきりしないことがあげられる。これは無理もない。QCであれば道具を使うことになる目的が明確で、それにあわせた道具をそろえておけばよい。ところが、思考法が対象にしているのは、日常的な仕事であったり、マネジメントであったり、商品開発であったり、インシデント対処であったりする。

ゆえに、何をそろえておけばよいかがよくわからないのだ。これが気持ち悪い。

それではというので、この本の著者の加藤昌治氏はそれ全部を一式にしてしまえということで、「考具」という言葉を考案された。書店でこの本を目にしたときはちょっとしたインパクトがあった。今まで腑に落ちなかったものが、落ちた感覚である。

この本で紹介されている思考法そのものに目新しいものはない。というより、そんな目的で書かれた本ではないのだろう。ただ、上に述べたような意味でも、あるいは、思考の「カタリスト」として1冊持っておく価値のある本だろう。

2005年4月14日 (木)

フリーエージェント社会の到達

4478190445ダニエル ピンク (池村 千秋、玄田 有史訳)「フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか」ダイヤモンド社(2002)

お奨め度:★★★★

この本はいいね。何回か読んだが、非常に人間社会の本質を捉えた論だと思う。

いろいろな観点から分析をしているが、結論は

プロジェクトのための適材適所のための人材を集められるプロジェクトマネージャが従来の管理職にとって変わるだろう

というところにある。

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